特別養護老人ホーム 高秀苑 様
https://koushuen.com/| 業態 | 特別養護老人ホーム |
|---|---|
| 法人名 | 社会福祉法人 久義会 |
| 定員 | 63名、デイサービス20名 |
| 導入時期 | 2026年 4月 |
| 取材 | 施設長 山下聡理 様 |
【施設情報】
「自由にいきいきと自分らしく」を理念に、それぞれの個性と暮らしのリズムを大切にした
ユニットケアに取り組む同施設。ユニットケアの実地研修施設としての役割も担っており、
多くの施設にその価値を伝え続けている。
Instagramでは、山下施設長による「リーダーの心得」のポイントを発信中。

この事例の3つのPoint
Point1.給食運営費2割削減で1000万円以上のコストカット!半期黒字を達成
Point2.おいしさと誠実さ、徹底サポートが決め手
Point3.ユニットケアに応じた主体的な食事提供を実現
クックデリ導入前に抱えていた食事の課題を教えてください。
ー給食会社に主導権を渡している焦りー
私が二代目の施設長に就任するやいなや、当時委託していた給食会社から値上げ要請を受けました。食材費高騰により値上げは仕方がない面がありましたが、あまりに急で、施設としてもそのまま受け入れるわけにはいかない状況でした。長いことお世話になっていましたし、価格面でもかなり抑えてやっていただいていたとは思うのですが、そもそも施設の経営が芳しくないなかで「これ以上の値上げは無理だ」というのが正直なところでした。給食会社に主導権を握られているという状況からも、もう脱却しなければならないという焦りもありました。
そうして移転新築から5か月後、委託会社に契約更新をしないことを伝え、準備を進めました。
数多くの完調品メーカーのなかからクックデリを選んでいただけた理由をお教えください。
ー担当営業への信頼感と味の良さー
完調品自体は、委託給食会社も自社製品を取り入れていましたし、クックデリさんについても当施設がユニットリーダー研修施設の指定を受けており、その仲間内で導入していたこともあって知っていました。
最終的に既存の給食委託会社と他社完調品メーカーも含めた3社で比較検討しました。
クックデリの完調品は全体的においしかったですし、特に魚の煮つけは臭みがなく、しっかり出汁がきいた味でした。価格的には真ん中だったものの職員の評価も高かったですし、「おいしくて継続できる食事が何よりも大切」との理事の方々の声も後押しとなりました。
そしてクックデリの担当営業さんが、いつも親身にになって相談にのってくれたことは大きかったですね。施設長になりたてで給食運営の仕組みも理解しきれていなかったのですが、食材費に含まれるものとか、施設で在庫管理が必要なものとか、いろいろ教わって理解を深めることができました。営業の方は売り上げを求めるがあまりオーバーなことを言いがちなイメージですが、クックデリの担当営業さんは、「軌道に乗るまでは施設の工夫は必須であること」「単に導入すれば成果が上がるものではないこと」などメリット・デメリットを率直に話してくれました。調子の良いことは絶対言わなかったところは信頼できる点でした。
オペレーションの構築はどのようにすすめましたか。
―デモを重ねて介護量に応じたオペレーションを確立ー
直営化にあたって、一番の悩みは人材確保だと思うのですが、当施設も同様でした。八尾市は介護施設が100件以上ある激戦区ですから、そこで新たに職員を集めるのは並大抵のことではないと思っていました。ですから、まずは給食委託会社のスタッフに残ってもらうことを第一優先に掲げ、説明会と完調品導入後を想定したデモンストレーションを開催することにしました。
各ユニットの介護職員が食事準備をすることは決定事項だったため、委託スタッフさんにはユニット推進委員による仕切りのもと、一連の動きを体験してもらったうえで進退を確認しました。結果、7人全員がとどまってくれ、新規採用の必要性はなくなりました。このあたりはきちんと給食委託会社さんと筋を通し、正しい手順のもとで進めていったつもりです。クックデリさんからも、導入を急かされるようなこともありませんでした。
並行して、ユニット推進委員を筆頭にクックデリさんも交えつつ、フロアごとのデモンストレーションも行ってオペレーションを構築していったわけですが、大きな特徴としては、軸は決めつつも細かな部分はフロアの介護量に応じて変えている点です。たとえば認知症の入居者が多いフロアは、湯せん中の鍋が火災アクシデントを引き起こす恐れがあるため厨房からのヘルプを配置するとか、逆に車いすユーザーが多ければその心配は少ないことからフロア職員のみで担当するといった、調整を図っています。もともと個別性を大切にするユニットケアに取り組んでいることもあったことから自然な成り行きでしたし、抵抗感も少なく取り組めた側面はあると思います。

▲ユニット推進委員の武内一泰様が中心となって作成した運営手順書をもとに作成
▲食事担当パートスタッフの業務スケジュール(一部抜粋)
導入の成果はいかがですか。
―半期黒字の達成と自律的な運営体制への転換ー
このままいくと、従前の給食運営費から2割、1,000万円以上は削減できる見込みで、上半期の収支が久々の黒字となりました。ただしコスト削減と同じくらい大きかったのは、自分たちで給食運営をハンドリングできるようになったことです。ユニットの特徴にあわせた適時・適温の食事提供や入居者にあわせた栄養価の調整、おいしくてリーズナブルな米を仕入れられるようになったことも思わぬ成果です。
地域に先がけて新しい取り組みができたことは自信になっています。
今後は黒字になった部分で、デイサービスの差別化として初回の体験利用と食事をサービスするアイデアも考えているところです。
完調品導入を考えているご施設にアドバイスをお願いします。
ー施設の工夫があってこその成果ー
繰り返しになりますが、強調したいのは単に導入しただけでコストが下がるものではないということ。私たちもさまざまな試行錯誤に取り組んだからこそ、2割の削減に成功したと自負しています。完調品を導入して直営化する理由が「安いから」ではなく、もうそれがスタンダードにならざるを得ない時代に突入しているといっても過言ではないと感じています。
これからは、より個別ケアに即した完調品のあり方が求められると思いますから、その分、完調品メーカーさんも競争しあってサービスが充実していくのではないでしょうか。クックデリさんには大いに期待しています。

▲敬老の日に入居者家族を招いて催した家族食事会
▲介護現場のマネジメントをテーマに書いた本を出版している山下施設長
ありがとうございました。



