【導入事例】特別養護老人ホームソレイユ千葉北様|経営層が厨房業務に介入し、食事提供のあり方を再考

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【導入事例】特別養護老人ホームソレイユ千葉北様|経営層が厨房業務に介入し、食事提供のあり方を再考

特別養護老人ホームソレイユ千葉北 様

https://www.soreiyu.or.jp/
業態 特別養護老人ホーム
法人名 社会福祉法人高徳会
定員 50名
導入時期 2025年7月
取材 施設長 佐藤純子様、施設管理係・生活相談員 碓井友宏様

1997年開設。「地域に根ざした、地域に開かれた高齢者福祉の拠点」を理念に掲げ、利用者家族を含めたつながりを大事に取り組む。

 

クックデリを導入したきっかけは?

―委託会社の撤退―

佐藤様)厨房業務は、30年近く同じ給食会社に委託していました。しかし数年前から委託費の値上げ交渉がはじまり、先方からは「場合によっては手を引かざるを得ない」とまで言われていたのですが、どこかまだ「長い付き合いだし……」とのんびり構えていたように思います。そんな事態が変わったのが、今年2025年の4月です。6月末に完全撤退を言い渡されてしまい、慌てました。

碓井様)「さあ、どうするか……」と途方に暮れながら、一瞬は別の委託会社に打診することも頭をよぎりました。でも管理費や食材費の値上げはこの先も続くだろうし、その時点ですでに食事内容のレベルが落ちていたことも事実でした。何せ猶予が2カ月なかったことで、「もうやるしかない」という覚悟を決めて準備を進めました。

値上げ交渉がはじまったあたりから少しずつ情報収集だけはしていたのと、周辺施設で完調品に切り替える事例がポツポツ出始めていたことから、頭には完調品の選択肢しかありませんでした。そこからクックデリさんを含め、複数のメーカーさんを招き、比較を行いました。そのうち味もコストも一番良く、クックチルシステムを取り入れるつもりはなかったことから冷凍食品でもあるクックデリさんに決めました。

委託から直営の切り替えで課題に感じていたことは何ですか?

―人員確保―

碓井様)やはり一番の懸念は、人材が確保できるかという点でした。幸い、給食会社のパートさんが2人残ってくれたことと、新しく中華料理のコックをしていた方の採用がかない、3人の調理経験者が確保できたことは心強かったです。もう1人20代の若手人材も採用できました。もちろんそれでも足りないため、私と施設長自ら厨房に入って作業を行っています。ハード面では、すでにスチームコンベクションはあったため、お釜を買ったくらいです。

佐藤様)準備を進めていた頃、クックデリさんを導入している他県の特養施設さんの厨房業務を見学させていただいたのですが、想像よりも余裕を持って作業している様子が印象的でした。「これなら私たちにもできるかも」と励まされた気持ちになったことを覚えています。

提供までのオペレーションについて教えてください。

―一口大やキザミに加工して提供-

碓井様)重度の利用者さんが多いため、そのまま加工せずに提供しているのが20人程度。あとは、一口大やキザミにする作業を行っています。

          

導入によってどのような変化がありましたか?

―食事満足度の向上と業務負担軽減、厨房業務への理解促進―

碓井様)まだ導入したばかりで業務をまわすのに必死な段階ではあるものの、献立はバラエティー豊富で味も美味しいから、結果的に良かったと思っています。以前はなかなか出せていなかった魚メニューは充実しているし、ハンバーグやフライなんかもあって利用者さんは喜んでいますね。残食が減って体重が増えた方もいます。介護食についても、今まではミキサー食しか提供できていなかったのですが、機能的に問題なさそうな方はソフト食にレベルアップし、しっかり完食いただいています。

 また労力面においても、朝食担当の職員の出勤時間を4時から5時へと1時間遅らせることができました。もう少し軌道に乗れば、私たちは本来業務に戻り、スポットのパートさんを採用して1日の稼働人数を減らすなど、もっと効率的な運営をしたいと考えています。

佐藤様)あとは私たちの意識が変わったことも大きいですね。今までは委託会社さんに全面的に任せていたわけですが、はじめて厨房業務に介入し、食事を召し上がる利用者さんの顔も思い浮かべつつ、現場の業務や環境を見直す機会になっています。限られた時間内に美味しくて安全な食事を提供することが、どれだけ大変なことかということを痛感する機会になりました。          

完調品導入を考えている施設へのメッセージをお願いします。

―トップの覚悟が不可欠―

碓井様)施設の経営上、厨房業務を委託し続けるのは今後ますます難しい時代になっていくと感じています。私たちもはじめる前は不安ばかりでしたが、いざ踏み出してみたらやれないことはないなということを実感しています。

佐藤様)今回のような改革を実現するには、やはりトップダウンで進めることが不可欠だと思います。現場の意見はしっかり聞きつつも、最後は経営層が覚悟を決めて一歩を踏み出すことが大切なのではないでしょうか。




佐藤様、碓井様、ありがとうございました。

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