
毎日の調理に追われていませんか
「毎食の調理に追われて、献立の工夫まで手が回らない」とお悩みではありませんか。
食事の時間に合わせて調理が集中すると、早朝や夕方の人手が足りなくなる場面もあると考えられます。
本記事では、クックフリーズとは何か、冷凍保存で実現する計画調理の仕組み、高齢者施設での活用法を、施設長・厨房責任者・管理栄養士の方に向けて解説します。
クックフリーズとは
クックフリーズとは、加熱調理した料理を急速に冷凍して保管し、提供するときに再加熱する調理方式です。
調理と提供の時間を切り離せるため、計画的に調理を進められる点が特徴です。
クックフリーズの基準
滋賀県が障害福祉サービスの食事提供体制加算について示した通知では、クックフリーズを、加熱調理後に急速冷凍し、マイナス18℃以下で運搬、保管し、提供するときに中心温度75℃以上で1分間以上再加熱する方式として示しています。
クックチルとの違い
同じ通知では、クックチルを、加熱調理後に90分以内に中心温度3℃以下まで急速冷却し、3℃以下で保管する方式としています。
クックチルは冷蔵、クックフリーズは冷凍で保管する点が大きな違いです。
冷凍で保管するクックフリーズは、より長く保管しやすいと考えられます。
冷凍保存で実現する計画調理の仕組み
急速冷凍で品質を保つ
高知県工業技術センターの資料(2016年3月号)では、食品が凍るときにマイナス1〜マイナス5℃の最大氷結晶生成帯を短時間で通過させ、氷の結晶を小さく抑えることが品質を保つ鍵とされています。
クックフリーズで急速に冷凍するのは、こうした品質の低下を抑えるためと考えられます。
調理日と提供日を分けられる
冷凍で保管できるため、調理を特定の日にまとめ、提供する日に再加熱するという運用ができます。
厚生労働科学研究の報告では、クックフリーズの手順の一例として、急速冷却後にマイナス18℃まで凍結し、調理日から1週間以内に提供する方法が示されています。
どのような運用であっても、解凍後の温度管理と再加熱を確実に行うことが前提です。
高齢者施設でクックフリーズが注目される背景
人手不足
介護労働安定センターの「令和5年度介護労働実態調査」(2023年10月1日時点)では、従業員が「大いに不足」「不足」「やや不足」と回答した事業所が合計64.7%でした。
調理を計画的にまとめられる方式は、少ない人数で厨房を回すうえで役立つと考えられます。
食材費の上昇
厚生労働省の資料によると、令和8年度(2026年度)に期中の介護報酬改定が行われ、介護保険施設などの食費の基準費用額は、令和8年(2026年)8月から1日あたり100円引き上げられ、1,545円となっています。
浜松市の案内では、食材料費の上昇などが背景とされています。
クックフリーズのメリットとデメリット
メリット
調理を計画的に行えるため、作業を平準化しやすくなります。
厚生労働科学研究の報告では、施設へのインタビューで、嗜好性を維持できるという意見や、揚げ物を含めて献立の幅が広がる可能性が示されています。
急な食数の変化や欠員にも、冷凍の在庫で対応しやすいと考えられます。
デメリット
急速冷凍の設備や、十分な容量の冷凍庫が必要です。
また、冷凍、保管、再加熱の各工程で温度と時間を管理し、記録する手間がかかります。
高齢者施設でのクックフリーズの活用法
1.施設内でクックフリーズを行う
自施設の献立や味付けをそのまま冷凍でき、計画調理の効果を得やすい方法です。
一方で、設備投資と温度管理の体制づくりが必要です。
2.完全調理済み冷凍食品を活用する
完全調理済み冷凍食品は、外部で調理まで済ませた料理を冷凍で納品するものです。
施設で急速冷凍の設備を持たずに、クックフリーズに近い計画的な運用ができると考えられます。
3.両方を組み合わせる
たとえば、主菜は冷凍の調理済み食品を使い、副菜や汁物は施設で調理するといった組み合わせも考えられます。
組み合わせることで、施設の味を残しながら厨房の負担を減らせると考えられます。
導入の進め方とチェックポイント
進め方
1.対象とする料理を決める
冷凍に向く料理と、施設で調理したい料理を整理します。
2.設備と容量を確認する
急速冷凍の設備、冷凍庫の容量、再加熱の機器を確認します。
3.温度と時間の基準を決める
冷凍、保管、再加熱の温度と時間、提供までの期限を手順書にまとめます。
4.試食と試行で確かめる
試食会や一部の献立での試行で味と運用を確認してから、対象を広げます。
チェックポイント
厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、加熱調理食品は中心温度75℃以上で1分以上加熱することとされています。
再加熱の際も中心温度を測り、記録を残しましょう。
和歌山県の案内によると、令和3年(2021年)6月1日から、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められています。
施設種別・規模別の考え方
特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム
食数が多い施設では、計画調理による作業の平準化の効果が大きいと考えられます。
住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム
食数が少ない施設では、設備投資が見合わない場合もあるため、冷凍の調理済み食品の活用が現実的な選択肢になります。
新規開設を予定している施設
急速冷凍の設備や冷凍庫の容量は厨房の設計に大きく関わるため、早い段階で方針を決めておきましょう。
よくある質問
クックフリーズの料理はどのくらい保存できますか?
保存期間は、施設の衛生管理計画で定める必要があります。
運用前に、所管の保健所などに確認しておくと安心です。
嚥下食にも対応できますか?
料理や食形態によって仕上がりが異なるため、再加熱後の食感を確認してから運用を決めることが大切です。
再加熱にはどのような機器を使いますか?
スチームコンベクションオーブンや再加熱カートなどが使われます。
どの機器を使う場合でも、中心温度の確認と記録が欠かせません。
クックフリーズに向いている料理はありますか?
料理によって冷凍や再加熱後の仕上がりが異なるため、試作して確認することが大切です。
厚生労働科学研究の報告では、揚げ物についても献立の幅が広がる可能性が示されています。
まとめ
クックフリーズとは、加熱調理した料理を急速冷凍して保管し、提供するときに再加熱する調理方式です。
調理と提供の時間を分けられるため、計画調理による作業の平準化が期待できます。
高齢者施設では、自施設での実施と冷凍の調理済み食品の活用を比較し、温度管理の体制を整えたうえで取り入れることが大切です。
クックデリは、管理栄養士が作成した献立を、料理研究家監修の完全調理済み食品としてお届けしています。
解凍や温めで提供できるため、設備投資を抑えながら計画的な給食運営を目指す高齢者施設におすすめです。
サービスの詳細は資料ダウンロードで、実際の味は無料試食会でお確かめください。
参考文献
滋賀県「食事提供体制加算を算定する際の具体的な取扱いについて(通知)」
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5531803.pdf
高知県工業技術センター「高知県工業技術センターだより(2016年3月号)」
https://www.pref.kochi.lg.jp/_files/00014601/platform201603-1.pdf
厚生労働科学研究成果データベース「特定給食施設の食事におけるクックフリーズによる揚げ物の栄養成分に関する研究」
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202009012A-buntan9.pdf
公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査結果の概要について」
https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/
厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675936.pdf
茨城県「令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費(補足給付)の見直しについて」
https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/chofuku/jigyo/kaigo/documents/6.pdf
浜松市「令和8年8月からの食費・居住費の負担限度額及び基準費用額の引き上げについて」
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kaigo/202408futangendogaku.html
厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/000500653.pdf
和歌山県「HACCPに沿った衛生管理の制度化について」
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/producer/haccp-institutionalization.html
クックデリ「介護施設・障がい者施設向け食事提供トータルサービス」
https://www.cookdeli.com/service/elderly/





