
市販の介護食品をどう選べばよいかお悩みではありませんか
「市販の介護食品を取り入れたいけれど、どれが入居者に合うのかわからない」「商品によって『やわらかさ』の表示がまちまちで比べにくい」と感じている施設長や厨房責任者、管理栄養士の方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そうしたときに役立つのが、ユニバーサルデザインフードの区分表示です。
本記事では、ユニバーサルデザインフードの意味と4つの区分を整理したうえで、高齢者施設で介護食を選ぶときの活用法を解説します。
なお、規格に関する内容は、2026年10月時点で確認できる日本介護食品協議会などの資料をもとにしています。
ユニバーサルデザインフードとは
ユニバーサルデザインフードの意味
ユニバーサルデザインフードとは、日常の食事から介護食まで幅広く使える、食べやすさに配慮した食品のことです。
「UDF」と略されることもあります。
噛む力や飲み込む力に合わせて商品を選べるよう、かたさや粘度にもとづいた区分が表示されている点が特徴です。
規格を定めている団体とロゴマーク
ユニバーサルデザインフードの規格は、日本介護食品協議会が定めている自主規格です。
日本介護食品協議会は、介護食品を製造・販売する企業などで構成されています。
2003年6月15日には、自主規格の第1版が公表されました。
協議会の規格に適合した商品には専用のロゴマークが表示されており、パッケージを見るだけで区分を確認できます。
対象となる食品の種類
対象となる食品には、レトルト食品や冷凍食品、とろみ調整食品などがあります。
おかゆや煮物、ムースなど、さまざまな料理が商品化されています。
ユニバーサルデザインフードの4つの区分
ユニバーサルデザインフードは、食べる人の状態に合わせて、次の4つの区分に分けられています。
ここでは、日本介護食品協議会が示している目安をもとに、それぞれの特徴を紹介します。
区分1:容易にかめる
4つの区分のなかで、もっとも常食に近い区分です。
かたいものや大きいものは食べにくいものの、普通に近い食事ができる人が目安とされています。
区分2:歯ぐきでつぶせる
歯ぐきでつぶせる程度のやわらかさの区分です。
かたいものは食べにくく、料理によっては飲み込みにくさを感じる人が目安とされています。
区分3:舌でつぶせる
舌で押しつぶせる程度のやわらかさの区分です。
細かく、やわらかいものであれば食べられる人が目安とされています。
区分4:かまなくてよい
噛まずに飲み込める、ペースト状などの区分です。
固形物は小さくても食べにくい人が目安とされています。
とろみ調整食品の表示
飲み物や食べ物に混ぜてとろみをつける「とろみ調整食品」についても、日本介護食品協議会がとろみの強さの表示をそろえています。
商品によって段階の数が異なる場合があるため、使用する前に表示を確認することが大切です。
嚥下調整食分類2021との違い
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食分類2021」は、主に医療や介護の現場で、嚥下調整食の段階を共通の言葉で伝えるための分類です。
一方、ユニバーサルデザインフードは、市販の介護食品を選びやすくするための表示の規格です。
このように目的が異なるため、施設内の食形態や病院からの情報と照らし合わせるときは、両方の分類の対応を確認しておくと安心です。
京都府の保健所が掲載している学会分類の関係資料にも、ユニバーサルデザインフードの区分との対応がまとめられています。
高齢者施設での介護食選びでの活用法
1.施設の食形態と区分を対応させる
まずは、施設で提供している軟菜食、ソフト食、ミキサー食などが、ユニバーサルデザインフードのどの区分に近いのかを整理します。
対応表を作っておくと、市販品を取り入れるときに、どの区分の商品を選べばよいかがわかりやすくなります。
2.入居者の状態に合わせて区分を選ぶ
区分はあくまで目安のため、入居者の噛む力や飲み込む力を評価したうえで選ぶことが大切です。
食形態の判断は、医師や歯科医師、言語聴覚士、管理栄養士などの評価にもとづいて行います。
3.職員間の共通言語として使う
「区分3相当のやわらかさ」のように、区分を共通の目安として使うと、職員の間でやわらかさのイメージをそろえやすくなります。
施設内で手作りする食事の基準づくりにも、役立つと考えられます。
4.非常時の備えとして選ぶ
レトルト食品などのユニバーサルデザインフードには、常温で保存できる商品も多くあります。
そのため、災害時の備蓄として活用している施設もあると考えられます。
備蓄する場合は、入居者の食形態に合わせて区分ごとに用意し、賞味期限を定期的に確認することが大切です。
ユニバーサルデザインフードを活用するときの注意点
同じ区分の商品でも、メーカーや料理によって食感や味は異なります。
初めて使う商品は、職員が試食したり、入居者の食べる様子を観察したりして、合っているかどうかを確認することが大切です。
また、市販品だけに頼ると献立が単調になりやすいため、施設の食事と組み合わせて使うことが望ましいと考えられます。
介護食の調達方法の比較
施設内で調理する場合
入居者一人ひとりに合わせて、細かく調整しやすい点がメリットです。
一方で、食形態ごとの作り分けには手間がかかり、仕上がりにばらつきが出やすい点がデメリットと考えられます。
市販の介護食品を活用する場合
ユニバーサルデザインフードの区分を目安に選べるため、やわらかさをそろえやすい点がメリットです。
一方で、1食あたりの費用が高くなりやすいことや、品ぞろえによっては献立が単調になりやすいことには注意が必要です。
完全調理済み食品を活用する場合
高齢者施設向けの完全調理済み冷凍食品を活用すると、施設での作業は温めと盛り付けが中心になり、毎日の献立としてまとめて導入しやすくなります。
ただし、冷凍庫などの保管スペースが必要になることや、献立の自由度が下がる場合があることには注意が必要です。
導入前に試食をして、入居者に合う味や食形態かどうかを確認することをおすすめします。
よくある質問
Q.ユニバーサルデザインフードは高齢者施設でも使えますか?
使えます。
家庭向けの商品が多いものの、区分が明記されているため、施設で市販品を取り入れる際の目安として活用できます。
施設の食形態との対応を整理したうえで使うと、より安心です。
Q.区分の数字が大きいほどやわらかいのですか?
区分1の「容易にかめる」から区分4の「かまなくてよい」へ進むほど、噛む力や飲み込む力が弱い人に向けた、やわらかい区分になります。
まとめ
ユニバーサルデザインフードとは、食べやすさに配慮した食品を、かたさや粘度にもとづいて4つの区分で表示した規格です。
高齢者施設では、施設の食形態との対応を整理し、入居者の状態に合わせて区分を選ぶことで、市販の介護食品を選びやすくなります。
毎日の食事として、食形態に合わせた食事を安定して用意したい施設は、完全調理済み食品の活用も選択肢のひとつです。
クックデリは、高齢者施設向けに完全調理済み冷凍食品を提供しています。
資料ダウンロードや無料試食会を通じて、実際の味や食形態をぜひご確認ください。
参考文献
- 日本介護食品協議会 ウェブサイト(ユニバーサルデザインフードの概要)
https://www.udf.jp/outline/udf.html - 日本介護食品協議会「UDF区分策定の経緯」
https://www.udf.jp/about_udf/section_01.html - 日本介護食品協議会「UDF自主規格」について
https://www.udf.jp/about_udf/section_03.html - 日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食分類2021」
https://www.jsdr.or.jp/doc/classification2021.html - 京都府山城南保健所 掲載資料「嚥下調整食学会分類2021関係資料」
https://www.pref.kyoto.jp/yamashiro/ho-minami/documents/gakkaibunnrui.pdf





