「ユニバーサルデザインフードでの区分ってなに?」
「ミキサー食や、ムース食ってどんな食事だろう?」
このような疑問を持つ人は多いでしょう。
この記事では、広く使われている介護食の区分を解説します。かむ力や飲み込む力によって、区分は変わることを理解できるのです。
さらに、介護食の区分に合わせた種類を5つ紹介します。介護食を理解したい人や、ご家族に照らし合わせて興味のある人は、ぜひこの機会に記事を読んで理解を深めてください。
介護食の区分とは
広く使われている介護食の区分は、食事する人の状態や能力によって分けられます。食事を行う人によっては、かむ力や飲み込む力が異なり、形状や硬さを区分する必要があるのです。
人によっては、通常の食事で喉を通らず気道閉塞や、誤嚥などを引き起こす可能性があります。どの程度で問題が発生するかを判別するには、さまざまな形状区分が必要となるのです。
通常よりも柔らかいのか、それとも通常よりもちょっとだけ柔らかくてかみやすいかでは意味合いが違ってきます。また、通常に比べて飲み込みやすいのか、通常よりもちょっとだけ柔らかくてかみやすいかでも異なるのです。
さらに、かまなくても飲み込めるものもあります。安全に考慮するためにも、介護食の区分は必要です。
ユニバーサルデザインフード(UFD)の区分と選び方
ユニバーサルデザインフード(UFD)とは、健常者から介護食を必要とする人までが幅広く食べられるように配慮された食品です。
食べやすいことを重視した食品で、ユニバーサルデザインフードに認定されたものには、ロゴマークが印刷されています。ロゴマークの使用には、日本介護食品協議会への申請を行い、規格を満たさないといけません。
区分と選び方に関しては、かむ力と飲み込む力で下記4つに区分されます、また、区分が進むにつれて程度は重くなるのです。
- 区分1:容易にかめる
- 区分2:歯ぐきでつぶせる
- 区分3:舌でつぶせる
- 区分4:かまなくてよい
区分を知れば、ユニバーサルデザインフードの選び方を理解できますので、詳しく紹介します。
区分1:容易にかめる
容易にかめる区分とは、「大きなものや硬いものはやや食べづらい」状態を意味しています。飲み込む力に関しては、「問題無く飲み込める」状態です。
介護食が必要になる場合、最初に選ぶケースが多いでしょう。例として、下記の食べ物が該当します。
- やわらかめのごはん
- 厚焼き卵
- やわらない肉を使用した肉じゃが
- 焼き魚
かむ力と飲み込む力は残ってますが、通常の食事では若干差しさわりがあり、残している場合には確認する区分です。
区分2:歯ぐきでつぶせる
歯ぐきでつぶせる区分とは、「大きなものや硬いものを食べづらい」状態を意味しています。飲み込む力に関しては、「食べるものによっては飲み込みづらい」状態です。歯ぐきでつぶせる食べ物には、例として下記が該当します。
- やわらかめのごはん~おかゆ
- 卵焼き
- やわらない肉を使用した具が小さめの肉じゃが
- 煮魚
全体的に食事を行う能力が低下していますが、歯ぐきを使えば食べられるので、食事を楽しむことが可能です。また、素材の形が残っているので、見た目に配慮した美味しさを味わえます。
区分3:舌でつぶせる
舌でつぶせる区分とは、「やわらかく小さいものを食べられる」状態を意味しています。飲み込む力に関しては、「水やお茶などの水分が、飲み込みづらいときがある」状態です。舌でつぶせる食べ物には、例として下記が該当します。
- おかゆ
- 炒り卵
- ひき肉を使用した具が小さくやわらく煮た肉じゃが
- 細かくほぐした魚
この区分まで来ると、通常の食べ物では食事をするのが困難でしょう。ですが、食物の形がまだ残っていますので食事を楽しめます。そのため、見た目には配慮した調理が必要となるでしょう。
区分4:かまなくてよい
かまなくてよい区分とは、「小さい固形物でも食べづらい」状態を意味しています。飲み込む力に関しても、「水やお茶などの水分が飲み込みづらい」状態です。かまなくてよい食べ物には、例として下記が該当します。
- ペーストがゆ
- 具なし茶碗蒸し
- ペースト状の肉じゃが
- うらごしした魚
かむ力と飲み込む力両方が大幅に低下した状態ですので、ペースト状やうらごしされた食事がほとんどです。しかし、見た目に変化が少ないので、味のレパートリーに配慮する必要があります。
逆に、かむ力や飲み込む力が残っている人にあたえると、衰える結果になりかねないので注意が必要です。
介護食の種類
重要になるのは区分に合わせた介護食の種類でしょう。かむ力と飲み込む力によってさまざまな用途があり、下記は代表的な5種類となります。
- きざみ食
- ソフト食
- ムース食
- ミキサー食
- 流動食
種類によって使う用途が変わってきますので、詳しく紹介します。
きざみ食
通常食をきざんで食べやすくしたのがきざみ食です。区分1の人に対応しています。きざんであること以外は、なんら普通の食事と変わりありませんので、見た目や食感も楽しめるでしょう。
通常食のきざんである大きさではかむのが難しく、飲み込むのがつらいケースに、多く選ぶ種類となります。例としてレトルトのカレーが挙げられるでしょう。
しかし、かむ力があっても唾液の分泌量が少ない人のケースでは、食物がまとまりづらく、気管に入りむせやすくなります。そのため、とろみをつける餡かけなどで工夫をしましょう。
ソフト食
「やわらか食」や「軟菜食」とも呼ばれるソフト食とは、歯ぐきや舌でつぶせるやわらかさで作られた介護食です。区分2と3の人に対応しています。使用する食材をやわらかく調理してますが、まだ食材の形状は残っているので食感も楽しめるでしょう。
歯の有る無しに関わらず、かむ力や飲み込む力が低下して、きざみ食でも食べることが難しい人の場合に有用な介護食です。
注意点として、ソフト食はやわらかく形が崩れやすいので、先に器に盛ってから加熱調理を行う場合があります。
ムース食
ムース食とは、通常の食材を調理加工して、ムース状にした介護食です。区分4の人に対応しています。ミキサーを使用した後に、ゼラチンやゲル化剤を使って固めますが、主食以外の主菜や副菜を分けて調理しているケースが多いです。
ムース状のため、かむ力が無い人でも無理なく飲み込めます。見た目に配慮して食べる食材の形状(魚や野菜など)に整形したり、色に変化をつけて食べる人に興味をもたせる工夫が可能です。
ミキサー食
ミキサーを使用して食材を細かくしたミキサー食は、区分4の人に対応しています。ムース食との違いは、整形されていないことです。そのため、見た目で食事を楽しめる効果がありません。
ミキサー食は、食材の形状が残らないほど細かく加工しているので、かむ力が無い人や飲み込む力が低下している人に適しています。
注意する点として、食事が楽しめないので食欲を減退させる場合があるでしょう。また、水分量が多くなるので、気管に入りむせやすくなります。
流動食
流動食とは、健康を維持するために必要な栄養を効率的に摂取する食事です。区分4の人に対応しています。ムース食やミキサー食との違いは、消化器官に対する負担を減らせることです。かむ力や飲み込む力が無く、寝たきりの人に適した介護食となります。
流動食は食事をしている感覚が得られないので、「食べる気力」を減退させる場合があるでしょう。また、流動食を手作りする場合では、栄養素が不足する可能性があるので、既製品を使用するのをおすすめします。
まとめ
介護食の区分やユニバーサルデザインフードの解説をしました。区分4つに沿った形で、紹介した介護食5つの中から食べる人の状況を理解し、適した介護食を選択しましょう。
また、介護食には栄養バランスがとれた市販のものがあります。ユニバーサルデザインフードのロゴがパッケージに入ったものは、日本介護食品協議会の認定を得ている商品です。
自宅で作るのが不安な人は、ぜひ探してみてください。
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