
ケアタウン光の森様
https://caretown-hikari.or.jp/業態 | 地域密着型特別養護老人ホーム |
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法人名 | 社会福祉法人ゆうき会 |
定員 | 29名 |
クックデリ導入時期 | 2022年11月~ |
取材 | 施設長 竹園様 栄養士 岡本様 伊藤様 |
施設情報
ケアタウン光の森は、「何歳になられても安心して暮らせる地域社会づくりへの貢献」をモットーに、入居者お一人お一人の生活リズムに合わせた個別ケアを心がけ、その方らしい暮らしが継続できるようにご支援しております。
ユニット型の特別養護老人ホームで、広々とした明るく開放的なリビングをはじめ、落ち着いて過ごせる快適な環境づくりを大切にしています。
左:施設長 竹園様
右:栄養士 伊藤様
導入前の食事提供はどのようにされていましたか?
―他社完調品を利用―
以前は、他の調理済食品メーカーの完調品を利用していました。
調理職員が長期不在になる時期があり、そこでまず1週間試用したのがきっかけです。その後も週に1回程度、災害時や食中毒発生時を想定した訓練も兼ねてスポットで利用していましたが、調理職員の産休・育休による複数名の休職に伴い、毎日完調品を利用するようになりました。
お食事に対する課題はありましたか?
―完調品でありながら二次調理が必要で調理職員の負担が大きかったー
利用していた完調品は、味と食感に課題がありました。味にばらつきがあったり、味付けも成人向けであり、要介護度の高い入居者様が多い当施設ではそのまま提供ができないものが多かったのです。そのため、完調品をさらに二次調理するという手間が発生し、味が濃いものは薄くする、食感が固いものは再度煮る、噛みにくいものは刻むといった作業が発生し手間があまり省けず時間がかかっていました。
結果として入居者様の残食が多く、味への不満の声もあり別の完調品を検討しなければと思っていました。調理職員も毎日の対応に追われ、二次調理の手順を間違えることもあり忙しさに拍車がかかり人間関係にも影響が出ていました。
手間や配慮が必要な作業のため間違ったものは提供できませんし大変でしたよ。自前調理の頃よりも残食が多く、職員の手間もかかってしまい、おいしい食事の提供に苦労していました。
クックデリ導入のきっかけ、選んだ理由はありますか?
―数多くの完調品を試食し、職員全体が納得した味が決め手-
切り替えを検討していた際、様々な完調品メーカーが提案に来てくださり多くの製品を試食しました。できるだけ多くの職員で試食を行い、最終的に出会ったのがクックデリでしたが、一番おいしかったのが印象的です。
味にこだわる調理職員も納得の味で、食感も安定していてこれなら大丈夫だと思い切って替えることにしました。
導入後、利用者様の変化はありましたか?
―食事の摂取量が増え、100歳前後の入居者も体重増加―
導入後、殆どの入居者様が食事に前向きになったように思えます。体重が増える入居者様も見かけるようになりました。当施設の入居者様は100歳前後の方が多く、高齢で、平均介護度も4.2と高めです。しかし、誤嚥性肺炎の入院が2年間1度もなく健康的な生活が継続できているのは、食事が変わったことも影響していると思います。完調品にも様々な違いがあることを実感しました。
食事に関するアンケートでもリクエストが増え、「これが食べたい」というご意見もいただくようになり、特にお芋を使ったメニューは女性に人気ですね。アンケート結果を反映し、食べやすさの工夫を行うことで残食が10%未満まで減りました。食事の摂取量が増加して健康管理に貢献できています。
現在、食形態として普通食・粗刻み・極刻み・ソフト食で対応していますが、クックデリのソフト食を導入したことで厨房での加工工程が簡素化でき、ソフト食は栄養・カロリーのバランスがよく分量も適切なため、介助時間も減少しました。ソフト食も味がよいので完食しやすく栄養摂取の面でも安心です。
施設様にとっての変化はありましたか?
―厨房の雰囲気が変わり、少人数で穏やかに仕事ができるように―
他社完調品を二次調理して味付けや硬さを調節していた頃と今を比較すると、厨房の日々忙しさから開放されて精神的にも職員のゆとりができ、仲が良く穏やかになったのは大きな変化だと思います。
栄養士が調理職員に何かあったら気軽に言える雰囲気を作るよう心がけ、積極的に声掛けを行っています。小さな不満や意見も受け入れることで解消できるものがありますね。現在は調理職員2名と栄養士2名の計4人で食事を担当していますが、無理なく運営できています。1日につき調理職員1名で対応可能になり、栄養士がフォローに入らなくても30名近くの食事をスムーズに用意しています。
そのため、栄養士は食事の様子を見に行くことができ、入居者様から直接ご意見や感想を聞き、厨房と共有し、食事の改善に反映させることができています。
働き方も変わり、朝は6時出勤、時短勤務も可能でお休みも取れているのでストレスなく勤務できていますね。女性が長く働ける環境も大事で、家庭がある方も無理なく仕事ができる状態を作りたいと思っています。
調理時間にゆとりができたため、入居者様の飽きがこないよう月10日程度は手作りの食事を提供しており、クックデリとうまく組み合わせています。手作りを時々取り入れることで、調理業務にもメリハリが出て、入居者様からの「おいしい」という声も合わさってモチベーションの向上につながっています。
施設には菜園があり、そこで収穫した野菜や入居者様のご家族からの差し入れでいただく旬の野菜を取り入れて、クックデリの献立との組み合わせを調整し、オリジナル献立を作っています。残菜が多いメニューは除いたり、唐揚げのような硬いものは餡を絡めて食べやすくする等、ひと手間を加えています。その配慮が入居者様の「おいしい」という満足度につながり、職員の働き甲斐にもつながっています。
食材ロスを減らす工夫もしており、アレンジメニューも多数考案しました。クックデリの単品購入したものを使って「カニクリームグラタン」「カニ玉丼」「蒸し鶏のかぼちゃサラダ」「ぶどうミルクプリンにかぼちゃクリーム乗せ」「キーマカレーのスクランブルエッグ添え」等々、クックデリからヒントを得て、ロスがなくバラエティ豊かな食事提供ができているかなと思います。
残菜が多いメニューは献立から省いたり、より食べやすくする工夫を加えて食が進むようにしていますし、餡を数種類作りメニューに合わせて餡を絡めて食べやすくしています。このひと手間をかけるのがポイントで、残菜量が10%以下になりました。
最後に、クックデリのおすすめポイントがあれば教えてください
私たちの施設は、開設当初から地域産の無農薬無肥料米を使用し、入居者様から「ここのご飯はおいしいね」と好評を得ています。単に経費を節減することなく、人件費を合理化して食費に充てるという発想で、オペレーションをしっかり構築することで省人化を実現し、その分食事に時間をかけられるようになりました。毎日3食の食事を提供し続けるためには、手作りだけ、完調品だけでなくメリハリをつけて調理していくことも大事ですね。スポット利用と単品購入が好きな時にできるのがクックデリのよさかと思います。
クックデリを利用することで調理業務にゆとりができ、調理に従事する仲間が仕事をしやすい環境を整えることができました。仕事をしやすい環境をつくることで、おいしい食事を提供することができます。これはとても大切なことだと思います。
ケアタウン光の森様、ありがとうございました。