
介護老人保健施設 コスモピア熊本 様
https://shinseiki.or.jp/| 業態 | 介護老人保健施設 |
|---|---|
| 法人名 | 医療法人伸生紀 |
| 定員 | 入所 96 名 |
| 導入時期 | 2025 年 6月 |
| 取材 | 経営管理本部 部長/溝上 英幸 さま 管理栄養士 主任/山田亜希 さま |

クックデリを導入いただいた背景を教えてください。
―厨房スタッフ不足と管理栄養士の専門性発揮の低下―
溝上様)2024年にグループ会社の有料老人ホームで給食委託会社の急な撤退があったことを契機に、既存のグループホームを完調品へ切り替えるとともに、新規開設の看護小規模多機能型居宅介護施設や小規模特養においても開設時点から完調品を導入する計画を立てました。当老健においても厨房の人員確保がままならず、管理栄養士が現場に介入しなければならない場面が多々生じてきた課題がありました。そもそも老健における管理栄養士の役割というのは、ご利用者の側で寄り添った栄養ケアを行うことです。手作りの食事を提供したいがために、厨房にこもって献立作成や調理に没頭してしまっては意味がありません。そのような背景のもと、クックデリの完調品導入を決断しました。
続けて隣接する介護老人保健施設第二コスモピア熊本においても、給食委託から完調品を用いた直営運営へと舵を切りました。食事提供という生命線を握られているが故、客側であってもなかなか無理が言えず、まるで地雷の上に立っているようなもの......。色々なことがブラックボックス化していた面があったと思います。人材も食材も委託しておきながら、ある日、突然切られるくらいなら、こちらから早期に対策を打っていくほうが良いとの判断でした。
山田様)複数のメーカーさんの完調品を試食しましたが、クックデリは味に問題がなかった点と、スポット利用も可能であるという柔軟さを評価して導入に至りました。
完調品導入の体制構築について教えてください。
―調理方法のマニュアル化により多様な人材を活用―
山田様)先んじて導入した第一コスモピア(以下、第一)の作業工程はすべてマニュアル化しました。簡単ながらコツもある程度必要となります。工程ごとに写真を撮って、調理スタッフに共有しました。
溝上様)食形態については、在宅復帰が使命である老健の特性上「介護者の手間を増やしてはならない」というのが基本方針であるべき。よって、今回は従前の6種類から4種類へと減らしました。
また、直営化に際した人材確保については、多様な背景を持った人を活用することでうまくまわすことができています。法人内ダブルワークとして介護職や保育士が厨房業務を行うこともありますし、職員の高校生になるお子さんがアルバイトとして調理や洗浄を手伝ってくれるケースも出てきました。人を集めるのが難しいとはよく聞くのですが、栄養士や調理師のような資格者や一芸に秀でた人を採用しようと考えなければ良いのではないでしょうか。当施設のように、高校生や外国人でも作業ができてしまうのが完調品の強みです。これまでのような給食運営の概念を変えなくてはならない時期に来ているのだと、私自身ひしひしと実感しています。
余談ですが、洗浄のアルバイトに通信制高校に通う学生さんがいたのですが、この経験で介護施設に興味がわいて福祉系の大学に合格したと報告を受ける嬉しい出来事もありました。
導入によってどのような変化・成果がありましたか?
―最大20%のコストカット見込み。魚メニューが好評―
溝上様)まずコスト面について、直営のクックサーブから切り替えた第一は、食材費は上がっているものの人件費が削減できているため、全体的に約9%の削減ができました。第二については、まだ始まったばかりで不確かな面はあるものの、完全に委託から切り替えたため 20%程度のコストカットを見込んでいます。食材費はどうしても上がりますが、食材ごとに価格が乱高下したり、供給が不安定になるといった事態に右往左往することがないのはラクですね。
私たち老健は 50床とか 90床程度のスケールのなかでどう調整するかを考えなくてはなりませんが、クックデリは何万食も作って調整するからスケールメリットが生まれるのだろうとも感じています。
山田様)これまでは手間ひまかかる魚料理の調理に割く時間が作れず、提供機会が限られていたましたが、クックデリの完調品導入により頻繁に食卓にのぼるようになり、ご利用者に喜ばれています。肉料理もパサパサした食感がないうえボリュームも十分。一方、あまり人気のないメニューが再登場するときは、注文時に別メニューに入れ替えて対応することで食事満足度を担保しています。
最後に抱負をお願いします。
―ベッドサイドを訪問して声を聞く管理栄養士に―
山田様)厨房業務を委託していたときはご利用者側に気持ちが向きすぎて、現場の業務を煩雑にしてしまっていたと反省し、完調品導入を機会にアレルギー以外の嗜好的な対応はできるだけ行わないことで業務負担を減らしています。その分、利用者さんのベッドサイドに行き、しっかり声を聞くことを大切にしたいと考えています。厨房管理もご利用者ニーズもバランスよく取り入れていきたいと考えています。
溝上様)そもそも国内における生産年齢人口を20 年前と比べると、現在は 15%ほど減少しているなか、介護施設だけ同じ数の人員を割くというのは無理な話です。人が足りなくなってから慌てて動いても、もう手遅れかもしれないと考えると、手を打つのは今だと思っています。
ありがとうございました。



