
新年度が始まり、新しい環境の中で知らず知らずのうちに緊張や疲れが溜まっていませんか?
「頑張ろう」と気を張っている時ほど、自律神経が乱れやすく、体調を崩しやすい時期でもあります。
そんな今の季節にぜひ取り入れたいのが、春野菜の「香り」と「苦味」です。
これらの成分は、冬の間に溜まりがちな老廃物の排出を助け、自律神経を整えて気分をリフレッシュさせる働きがあるといわれています。
今回は、春ならではの食材が持つ力と、日々の食事に取り入れやすいおすすめの野菜をご紹介します。

「香り」は春からの優しい贈り物

春になると暖かい日差しとともに春の香りがやってきます。
この時期に旬を迎える食材には特有の豊かな香り成分が含まれており、私たちの心を落ち着かせてくれる大切な働きがあります。
香りのあるおすすめの食材3選

- セロリ
セロリは食材の中でも独特の香りを持つ野菜です。この香りに含まれるアピインというポリフェノールには不安やイライラを鎮める効果、食欲増進や安眠作用があります。また葉の部分に含まれる香り成分ピラジンには血液をサラサラにし、血行促進や動脈硬化を予防する働きがあります。有効成分は茎よりも葉先の部分に多いので、葉も積極的に摂りましょう。
- セリ
春の七草の一つとしても知られるセリ。シャキシャキとした食感とさわやかな香りがあり、鍋やお浸しとして利用されます。セリ特有の清涼感のある香りはミリスチンやカンフェンという成分です。これらはポリフェノールの一種で胃の働きを整える作用や発汗作用、解毒作用が期待できます。
- アスパラガス
アスパラガスを調理したときに漂う、甘くて青い香り。この香りには疲れた心身を労わってくれるような安心感があります。アスパラガスにはアミノ酸の一種であるアスパラギン酸が豊富に含まれており、疲労回復効果や利尿作用による体内の水分バランスを整えてくれる効果があります。
「苦味」で体をスッキリ春の刺激

春の食材には独特の苦味を持つ野菜が多くあります。
実は、この苦味こそ冬の間に溜まった老廃物をリセットし、体を春モードへと切り替えてくれるのです。
苦味成分は主にポリフェノールや植物性アルカロイドと呼ばれる成分です。これらには肝臓・腎臓の働きのサポートや新陳代謝を活発にしたりする役割があります。
苦味のあるおすすめ食材3選

- 菜の花
店先に「菜の花」が並ぶと春の訪れを感じさせてくれます。菜の花は春の苦味を象徴する食材で、そのほろ苦さの正体は豊富なポリフェノールによるものです。ポリフェノールには抗酸化作用があり、内側から体を守ってくれます。他にも辛み成分であるアリルイソチオシアネートやビタミンCも含まれているので、より高い抗酸化の相乗効果が期待できます。
- たけのこ
春の訪れとともに土の中から顔を出すたけのこ。その独特のほろ苦さやえぐみはポリフェノールの一種であるホモゲンチジン酸やアミノ酸の一種であるチロシンが変化したものです。チロシンは比較的ホルモンや神経伝達物質の生成に関わっており、感情や精神機能の調整に関与するとされています。他にもカリウムによる体内の水分調整を整える効果があります。
- ふきのとう
ふきのとうはまだ肌寒い時期に地面から顔を出している姿やほろ苦い風味から春を感じさせる食材です。ふきよりも栄養価が高く、苦み成分には新陳代謝を活発化させたり、肝機能を強化したりする働きがあります。また、香り成分のフキノリドには胃腸の働きを高める効果があります。
美味しく安全にいただくために

春野菜の苦味やえぐみはデトックスを助けてくれますが、これらは「あく」の成分でもあります。
たけのこやふきのとうなどは、適切なあく抜きをすることで、胃腸への刺激を和らげ、より安全に栄養を吸収できるようになります。
また、ポリフェノールの中には水に溶け出しやすいものもあるため、セリや菜の花などは「サッと短時間で茹でる」のがコツです。香りと栄養を逃さず、春の恵みを最大限にいただきましょう。
春の食材の「香り」と「苦味」には、私たちの想像以上に心と体を整える力が秘められています。
「香り」で張り詰めた心を解きほぐし、「苦味」で体の中を冬から春へと切り替えていきましょう。
心身ともにベストコンデションで5月を迎えるために、春の食材を味方につけてみませんか。
【参考文献】
・からだのための食材大全(NHK出版)

【監修者】島田 楓加
クックデリ株式会社 開発部 献立管理課
管理栄養士養成校で健康と栄養に関する専門知識を取得後、医療・福祉施設への食事サービスを提供する給食委託会社に入社。事業所の管理栄養士として3年間勤務し、食事提供業務に従事してきました。現在は献立企画課にて、利用者様に寄り添ったメニュー開発に取り組んでいます。
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